工数管理や時間管理ができるサービスやツールが数多くあります。いずれも親切で優れたサービスやツールですが、なかなか続けて利用できないという方が多いのではないでしょうか。そこで、ぜひ使ってもらいたいのがApp-TimeTrackerです。

App-TimeTracker はPerlでできた工数管理用ソフトウェアです。コンソールで利用します。2つのコマンドを実行することで工数を記録できます。

作業を行うディレクトリへ移動して、作業開始と終了を示すコマンドを実行するだけで作業時間を記録できます。PCで作業を行う場合に、ディレクトリに意味を持たせていることは多いと思いますので、そういった意味でもApp-TimeTracker は都合の良いソフトウェアではないでしょうか。

ソフトウェア開発者に限らず日々、時間を記録している方に役立つのではないでしょうか。

App-TimeTrackerの主な特徴について

1) 簡単なコマンドで作業の開始と終了を記録できます。

tracker start
tracker stop

2) 簡単なコマンドで記録の結果を出力できます。

tracker report

3) 初期設定のコマンドも簡単です。

tracker init

App-TimeTracker のインストール

cpanm を利用してインストールします。

sudo cpanm App::TimeTracker

sudo perl -MCPAN -e shell でもインストールできます。

install App::TimeTracker

いずれの方法であっても、環境によっては Path::Class::Iterator をインストールしていないと指摘を受ける場合があります。更に、Path::Class::Iterator のインストールが失敗することがあります。 そんな時は、force オプションを使用しましょう。

force install Path::Class::Iterator

App-TimeTracker の使い方

1) まずは初期化します。

初期化といっても簡単です。どのディレクトリを記録の対象とするかを App-TimeTracker に教えるだけです。作業を行うディレクトリに移動して、コマンドを実行します。

tracker init 

これで初期化は終わりです。作業するディレクトリが複数ある場合は、それぞれのディレクトリに移動して、このコマンドを実行します。

2) 記録を開始します。

作業を行うディレクトリに移動して次のコマンドを実行します。

tracker start
実行例
~/work/some_project$ tracker start
Started working on some_project at 13:06:20

3) 記録を終了します。

次のコマンドを実行します。

tracker stop

複数のディレクトリで記録を開始した場合は、それぞれのディレクトリに移動して実行します。

実行例
~/work/some_project$ tracker stop
Worked 01:43:07 on some_project

4) 記録の結果を参照します。

次のコマンドを実行します。

tracker report

実際にはオプションを指定して実行します。以下は、記録を行った当日の結果を参照する例となります。

実行例
~/work/some_project$ tracker report --this day
work                     02:15:49
   some_project             01:43:07
   another_project          00:32:42
perl                     02:23:58
   App-TimeTracker          02:23:58
total                    04:39:47

オプションは他にもあります。

hidenori: tracker --help report
usage: tracker [-?h] [long options...]
    --from                
    -h -? --usage --help  Prints this usage information.
    --to                  
    --this                
    --last                
    --fprojects          Filter by project
    --ftags              Filter by tag
    --detail             Be detailed: [tag|desc|all]
    --tags               Tags [Multiple]

aliasを使ってコマンドを単純化して利用すると良さそうです。例えばtracker start を ts にしたりといった感じです。

tracker report の出力をリダイレクトし、メールで送信、簡素な報告を行うこともできるでしょう。このように、応用する楽しみがあり、便利で楽しいツールと言えます。

App-TimeTrackerはPerl製、GPLとArtistic Licenseのオープンソース・ソフトウェアです。

App::TimeTracker - time tracking for impatient and lazy command line lovers source code