HTML5ではWebブラウザ内にSQLite3が組み込まれ、データベースが使えるようになる。既にHTML5に一部対応しているSafari(iPhone含む)ではブラウザ内部にデータベースを持っている。これを使えばGearsのような操作が可能になる。

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データベースを使ったサンプル

 

JavaScriptから使うデータベースなので、使う場所はきちんと考える必要があるだろう。使う方法はAlex Frameworkを利用すれば良い。

今回紹介するオープンソース・ソフトウェアはAlex Framework、HTML5に向けたJavaScriptフレームワークだ。

Alex FrameworkはWebブラウザ内部で使えるデータベース向けO/Rマッパーを提供している。これを使えばサーバサイドからデータをダウンロードし、クライアントで参照したり、加工するのがとても簡単になる。使い方が簡単であれば、実際に利用する気にもなるだろう。

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バックグラウンドでの計算処理結果

 

もう一つの機能として、HTML5 Web Workersの抽象化がある。これはJavaScriptによるバックグラウンド処理を行う機能だ。延々と計算を続ける場合でもバックグラウンドで行うのでフリーズすることがないのが特徴だ。

とはいえ複雑な処理を加工するととても面倒な仕様になっており、それをAlex Frameworkが抽象化し、扱いやすくしてくれる。どちらもデモが用意されているので、HTML5の利点を知るのにぴったりではないだろうか。

HTMLが進化するためにはブラウザも進化しなければならない。現状では対応ブラウザが限られてしまうが、今後の発展に期待したいとても興味深い技術がHTML5には備わっている。利用が当たり前になった時にはAlex Frameworkも随所で使われていることだろう。

 

alexframework - Project Hosting on Google Code

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