一般的にRailsは開発は速いが、動作は遅いという印象がある。もちろん、速度面の解決手段は様々に存在し、現在はキャッシュを利用する方法が多用される。そしてもう一つの欠点として、設置の面倒さが挙げられることが多い。これはmod_rails(Passenger)を使うことで相当楽になる。

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Ruby Enterprise Editionのトップページ

 

だが、mod_railsの欠点として挙げられるのが、メモリを相当使ってしまうということがある。速度面とメモリ、同時に解決するのがこのソフトウェアだ。

今回紹介するオープンソース・ソフトウェアはRuby Enterprise Edition、エンタープライズ向けRubyと名付けられたRubyだ。

Ruby Enterprise Editionはmod_ruby(Passenger)の開発者によって作られたRubyで、Ruby 1.8.6をベースにGC、メモリアロケータ、メモリ利用に関するデバッグツール等を追加したものになる。

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インストールして試しているところ

 

インストーラーも付属し、これを使うとデフォルトで/opt以下にRuby Enterprise Editionをインストールする。後はmod_railsの設定におけるRubyのパスをRuby Enterprise EditionのRubyのパスに変更すれば良いだけだ。

GCに関しては平均33%も改善されるらしい。それに伴って、一秒間あたりの許容リクエスト数や、メモリの利用量が改善する。公式サイトではThin、LiteSpeedと比較した場合、いずれの数値でも勝っているという結果になっている。

Passengerとの組み合わせが最良のようなので、お使いの方は試してみると良さそうだ(Mongrelも対応している)。なお、現状はLinuxのみが提供されておりMac OSX向けは今後の予定になっている。Passenger自身、2.0RC2がリリースされ、間もなくさらに磨きのかかった2.0がリリースされる予定だ。Rails開発者にとってはどんどん面白い技術ができあがっていく。

 

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