Linux系のエディタ、viやemacsを使いこなすにはかなりの時間を要する。最大の問題はやはり独特なキーバインドだろう。慣れてしまうとあのキー操作でないと生産性が落ちるといえるほど手に馴染むのだが、初めて触る際には障壁になってしまっているのは確かだ。

だが、プログラマーたるものLinuxやUnixサーバを操作できなければならない。そしてその時にviやemacsの操作は必須だ。さらに言えばemacsは標準で入っていない事も多いので、viの操作を覚える方が重要だ。

操作を覚えたいと思ったら、まずWindowsのテキストエディタもvi系(Vim)に切り替えてしまうべきだ。そしてWindowsとLinux両方でvi系エディタを使うようにする。もちろん、いきなりあの世界に飛び込むのは勇気がいると思うので、ワンクッション挟むのが良い。

今回紹介するオープンソース・ソフトウェアはCream、Vimを手軽に操作できるように拡張してくれるソフトウェアだ。

Creamは標準ではとっつきが悪く感じてしまうvimに各種設定を施す事で、使いやすくしてくれるソフトウェアだ。Creamはvimも一緒にインストールできるパッケージがあるので、そちらをインストールしよう。

起動してみると分かるが、メニューが日本語化されていない。そこで、「それさえもおそらくは平穏な日々: 日本語化パッチ配布」にて配布されているファイルを“C:\Program Files\vim\vim70\cream\lang(標準インストールの場合)”以下に配置すると日本語化された状態で表示される。

常にインサートモードになるように設定されているので、「:~」のようなコマンドを覚える必要はない。置換処理もダイアログから指定可能だ。また、行番号やファイルの文字コード、改行コード等ファイルに関する情報もデフォルトで表示されるように設定されている。

はじめて触る場合は、このような簡単かも知れない。とは言え、機能が削られた訳ではなく、ウィンドウの分割やカレンダーの表示、ワードラップといったVimの数多くの機能を利用することができる。他にも数々のadd-onが組み込まれている。

vi系エディタの操作を覚えないと、と思いつつも現在の生産性を落とす事を危惧して導入に踏み切れない方はぜひトライしてみて欲しい。機能が豊富で便利な事が分かれば、さらに便利にするキーバインドも覚えてみようという気になるだろう。

Cream :: a modern configuration of the Vim text editor
 http://cream.sourceforge.net/index.html

SourceForge.net: Cream (for Vim)(プロジェクトサイト)
 http://sourceforge.net/projects/cream/