Tor

匿名ネットはじめました

人々は皆、如何に自分自身の情報を守るかに頭を悩ませてきた。元々、IPアドレス位しか情報は得られない事から、単なる掲示板の書き込みから個人が特定されるような事はないと思われてきた(技術的ではなく、手間的に)。しかし、実際に逮捕される者は後を耐えない。

人々はプロキシを利用し、SSLを利用し、自分の情報を守ろうとしている。しかし残念ながら今の所情報保護が100%保証できる技術はなさそうに思える。そんな中、匿名性だけは確保できそうな技術が存在する。

本日紹介するオープンソース・ソフトウェアはTor(トーア)、アメリカ海軍が生み出した匿名ネットワーク技術だ。この技術がインターネットのあり方さえも変えてしまうかも知れない。

根本的な技術から言えばどこかで聞いたような感じだが、ノードと呼ばれる中継コンピュータがデータを伝播していくことにある。それぞれのノードは直前、直後のノードについてしか知らず、且つやり取りされるデータは幾層もの暗号化が施されている。

この方式の素晴らしい所は、ノードになるコンピュータがセキュリティを増していく事だ。しかし逆に弱点として殆どのノードをある特定の個人または団体によって所有された場合、匿名性が確保できなくなる。元々の目的が海軍の通信であれば欲しがる人達は後を立たないだろう。つまりそれだけ常に侵略される危険性があると言う事でもある。

セキュリティを確保する技術は日進月歩で進化している。光子を利用したハードウェア的技術も魅力的だが、既存のインフラを利用できるTorは他の方面でも普及する可能性を秘めている。全てのデータについて健全なセキュリティが確保される時、インターネットはどのように進化していくのだろうか。

http://www.freehaven.net/tor/