Migemo
Migemo
壁を越える
システムを開発する上で文字コードの問題は無視する事が出来ない。特に漢字圏の環境においては、2バイト文字が存在するのが厄介だ。更に日本語になると平仮名、片仮名、漢字…と書くだけでも三種類の文字を組み合わせなければならない。
ウェブブラウザを利用したシステムが構築されるのにあたって、更に問題が膨らんだ。日本語を表示するのに利用されるエンコードはShift-JIS、ISO-2022-JP、EUC、そしてUTF-8…四種類も存在するのだ(他にもあるのかな?)。それがプログラムファイルとデータベースの文字コードの双方がずれていたら…なんて笑えない状況さえ有り得るのだ。
2バイト文字というのはそう言う色々な場面において厄介だ。例えば画面の中から検索しようと思っても、いちいち入力文字の種類を切り替えつつ作業しなければならなかったりする。そんな苦労を大幅に改善してくれるのが本日紹介するMigemoだ。
Migemoはローマ字入力で日本語をインクリメンタル検索してくれるソフトウェアだ。インクリメンタルというのは、簡単に言うと文字の一部を入力(しかもローマ字で)する事で、その条件にマッチする単語(日本語のものを含む)に瞬時にカーソルを移してくれる機能だ。例えば『オープン』であれば『オープン』と入力するのではなく、『Op』とか入力すれば良いのだ。更に文字を入力する事で条件にマッチしなくなれば、次の単語に移ってくれる。検索結果を確認しながら入力できるので便利な機能だ。
Migemoは元々Emacs上で動作するために開発されていた。しかし、Windows版のEmacsであるxyzzy、エクスプローラ上で動作するMigemizeExplorer、IE上で利用可能にするmigemo-isearch・Monyura等、DLLとして色々なソフトウェアで活用されている。それだけ便利だと言う事だ。
MigemizeExplorerについてはエクスプローラ上で動作するので試してみるのは容易だろう。スペースキーで今、フォーカスが当たっているファイルが選択できなくなると言う欠点はあるが、元々便利に使っているMigemoがWindows上でシームレスに使えるようになる快感には敵わない。日本語の持つ壁を乗り越える、それだけでここまでコンピュータは便利に感じられるのだ。