Looking Glass

未来型デスクトップ

Looking Glass ロゴ

何もない空間に一人男が立っている。両手を仰々しく掲げ、少し離れた所にいる同僚に合図を送った。その瞬間、目の前に幾つものパネルが浮かび上がる。それらは一つ一つ別な場面を撮影したものであり、男は両手を激しく動かす事でパネルを左右に移動させ、一つ一つ順番に目を凝らしていく。更に男が両手で複雑な法印を結ぶような動作をすると、それに合わせてパネルが拡大されたり、選択されたりと目まぐるしく映像が入れ替わっていった。

2002年の映画、マイノリティ・レポートで使われていた犯罪現場特定用(?)のコンピュータを扱う場面を思い出しつつ書いてみたのだが皆さんは覚えておいでだろうか。トム・クルーズ扮する男が両手をぐるぐる動かして目の前に浮かんだ仮想画面を回転させたり、拡大させたりしながら必要な情報を集める、あの場面だ。

本日紹介するオープンソース・ソフトウェアはそんな場面を彷彿とさせるLooking Glassだ。Looking GlassはSun Mycrosystemsの開発したデスクトップで、MacOSX以上にグラフィカルで未来志向な作りになっている。

まず、公式サイト内の右側にあるデモを見て欲しい。壁紙が空間的広がりを持ち、それぞれのウィンドウが3Dとなって動き回る。更にウィンドウを裏返してメモ書きだって出来てしまう。

見た瞬間は『メモリもCPUも異常に費やしそうだ』と思ったが、それぞれの性能向上、価格低下が進んでいる中、それらは未来永劫問題になり得るのだろうか。もしそれらの問題が解決した際には、やはりこういった奥行きをもったコンピュータへと進化していくのではなかろうか。先の私の感想は、単に現状のコンピュータのあり方を前提としているだけに過ぎないだろう。

次世代を狙うと言うのはこういったコンピュータを指し示すのではないだろうか。無駄なアクションと思ってしまうようなものでも、コンピュータの性能が向上し、緩慢な動作によるストレスがなくなれば寧ろ気持ちの良い体験として受け入れられるような気がする。

Looking Glassは新しい、ファンタスティックな経験を私達にもたらせてくれる…そんな新次元のコンピューティングを予感させるのだ。

http://wwws.sun.com/software/looking_glass/