Webのシステムが最も苦手にしているのが帳票システムだ。幾つかのソフトウェアは存在しているが、海外製であるために日本語の取り扱いに問題があったり、レポートテンプレートがビジュアル的に作れなかったりと問題点もある。

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Excelで書かれた帳票テンプレート

 

そんな中、ExCellaのとった方法は最適な解と言えそうだ。何せ使うのは一番慣れているであろうExcelなのだ。

今回紹介するオープンソース・ソフトウェアはExCella、Excelをテンプレートに用いた帳票作成ライブラリだ。

ExCellaは全部で3つのパートに分かれる。ExCella CoreはExcelに書かれているデータをJavaオブジェクトに変換する。データベース以外の入力データでもExCellaを使えば簡単に帳票元データとして利用できる。

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サンプルの帳票データ(公式サイトより)

 

ExCellaはExcelファイルで作ったテンプレートにデータを埋め込み、再度ExcelまたはPDFに変換するライブラリだ。罫線の調整や折り返し設定などがExcelを使って容易に指定できる。ExcelからExcelに変換する場合、ピボットテーブルに対して動的にデータを埋め込むような操作も可能になる。

最後がExCella Transだ。ExCella Transでは元データのExcelやCSVファイルを元に、O/RマッピングやSQLを出力することで旧システムと新システムを容易につないでくれるライブラリだ。いずれも間にExcelを経由することで柔軟にデータの設定、加工が行えるようになっている。

帳票の設計が使い慣れたツールでできれば、ちょっとした変更を行うのも容易になる。専用ツールでは習得コストや新たなライセンスコストが発生することを考えると最も手軽で現実的な手法と言えそうだ。

 

ExCella

 http://excella-core.sourceforge.jp/