最近は、Windows上でシステム開発を進めることが増えてきた。以前であればファイルの編集だけWindowsで、実際の実行はLinux上というケースが多かったが、PCのスペックがあがるにつれ、クライアント内でアプリケーションサーバやDBを動作させてデバッグすらクライアントPC上で済ませてしまう。

オフラインでも開発できるのがメリットだが、この際に問題になるのがメールサーバの存在だ。恐らく社内外のSMTPサーバを使うケースがほとんどだろう。だが、その方式では大きな問題がある。

今回紹介するフリーウェアはRadish、Windows用のPOP/SMTP/DNSサーバだ。ソースは公開されているが、ライセンス上はフリーウェアなのでご注意いただきたい。

外部のメールサーバを使う最大の問題点。それはメールが勝手に送られてしまう事にある。開発中はメール送信処理を一つ間違えるだけで、数千通ものメールが一気に送れてしまう。さらにあってはならない事だが、実際のデータを元に開発されているケースも少なくない。数千のクライアントに対して、一括でテストのメールが送られてしまった…そんな冷や汗ものの事態は何としても避けたいものだ。

Radishを使うとそれを簡単に防ぐことができる。クライアントPC内でメールサーバを立て、アプリケーションからはlocalhostで接続する。後は通常のメールサーバ同様にメール送信すれば良い。大事なのはキューを処理しないようにしておく事だ。これだけで誤送の可能性がなくなる。

さらに便利なのが、キューにたまっているメールをダブルクリックすれば、デフォルトのメーラーでメール表示してくれる点だ。これがあれば実際にどのようなメールが届くのか簡単にチェックできる。件名が文字化けていないか、Fromに問題がないか等のチェックがローカル上で完結する。

また、RadishはPOPサーバの機能も兼ねている。これを使えば、設定したドメインについてはキューではなくPOP受信側に入る。これでPOP受信したメールを処理するアプリケーションを作る際にも使える。

最近はPOP Before SMTPやSMTP認証等、スパムメールを防止する技術が盛り込まれ、外部から簡単にSMTPサーバに接続するのが難しくなりつつある。その意味でも内部でSMTPサーバが立てられれば、開発の準備が簡単に完了するだろう。

Radish
http://homepage2.nifty.com/spw/software/radish/