春雨は複数言語を一つのHTMLドキュメント内に記述し、コマンドで各言語HTMLに展開するソフトウェア。

春雨はPerl製のオープンソース・ソフトウェア。Webサイトを多言語展開する際には、国際化処理を行うのが基本だ。GetTextのようなライブラリを用いて行われるが、その際には実際の画面とローカライズされる文言とか別で管理されることになる。


生成された日本語ドキュメント

HTMLとCSSによって文書構造とデザインが分かれたのと似ているが、言語が別管理というのは意外と不便に感じることも多い。そこで同一文書内で多言語展開できる春雨を紹介しよう。

春雨はHTMLタグにdata-lang-containerという定義をし、その中で使われるタグにlang=enまたはlang=jaといった要素を追加する。例えばとすれば、その中には日本語を記述する。別な言語も並列して書く形だ。一つのHTML内で多言語を管理できるので、更新した時にも内容の統一が容易にできる。


ヘルプ

そしてharusameコマンドを使ってソースになる文書を読み込み、言語を指定して出力する。Webサイトというよりもソフトウェアの日本語、英語ドキュメントを一緒に管理すると言った使い方が良さそうだ。管理が煩雑になりがちな翻訳ドキュメントの管理を手軽にしてくれるソフトウェアだ。

MOONGIFTはこう見る

開発ドキュメントや利用規約、ヘルプ等は一旦多言語化すると常に一緒にメンテナンスを行わなければならない。最初の作成コストも大きいが、その後のメンテナンスコストもまた大きい。特に文書を分けて管理していると、いつの間にか古いドキュメントが放置されてしまっていたなんてことになりかねない。

CSSとHTMLのように分けることで管理コストが減る場合もあれば、春雨のように一緒にしてしまうことで管理コストが減る場合もあるというのはとても面白い。現状、別で管理しているデータを一緒にしてしまうことでどういった変化が見えるか、その観点からとらえてみると新しい発見がありそうだ。

春雨 — 多言語 Web 頁管理ツール