これまでWeb OSを少し甘く見ていた。なぜブラウザの中でウィンドウを再現したり、はたまたブラウザを再現したりするのか理解できなかった。それらしくは動いても、決してオリジナルを越えることはできない、そう感じていた。

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とにかく多機能、高性能!

 

だがWeb OSを突き詰めていけばこうなるのだ、そう感じさせてくれるのがLucidだ。

今回紹介するオープンソース・ソフトウェアはLucid、再現度の高いLinux風デスクトップのWeb OSだ。

アプリケーションを呼び出したりするメニューが左上に並ぶので何となくLinux風に見える。アプリケーションは電卓、ターミナル、テキストエディタ、Katana IDE、チェッカー、マインスイーパーといったゲーム、イメージビューワやIM、フィードリーダーやブラウザ、ミュージックプレーヤ、アドレス帳、Todo、ワードプロセッサ、ファイルブラウザ、タスクマネージャなどなど。とにかく豊富なアプリケーションが用意されている。

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ゲームやブラウザなどの機能もある

 

さらにテーマの変更やバックグラウンドカラーの変更にも対応している。ターミナルは独自に実装されたJavaScriptベースのもので、lsやcd、catといったコマンドが利用可能だ。スタートアップマネージャを使ってログイン時に起動する項目を設定することもできる。

Katana IDEでは登録されているアプリケーションを編集して動作を変えることができる。どれもJavaScriptでできているとは思えないほど高機能だ。ファイルを別名で保存すると即座にファイルシステムに反映される点など、まさにローカルのOSさながらの動作だ。

なお、さらに面白いのはモバイルにも対応している点だ。シミュレータレベルではエラーになってしまうが、こうしたデバイスによって表示や情報提供方式を変えられるのもWeb OSの利点と言えそうだ。

このレベルに達するとBIOSでブラウザだけを起動して、Lucidを使って必要な操作をするような未来が見えてくる。ターミナルをはじめアプリケーションの動作は軽快で、ただもう凄いと感じてしまうそんなソフトウェアだ。

 

Lucid Desktop - Web Desktop and WebOS - Open Source

 http://www.lucid-desktop.org/