昨日から速報がばんばん流れていたが、予定通りリリースされたGoogleブラウザGoogle Chrome。IE/Firefox/Opera/Safariに続く、第五のブラウザにさえなり得るのだが、レンダリングエンジンにはSafariと同じWebKitが使われているので、Safari/Adobe AIRと同じ系列と言えるかも知れない。

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ダッシュボード

 

だがJavaScriptエンジンが高速化されたものが使われているので、動作の誤差は起こるかも知れない。さて、Web開発者やデザイナにとって、このブラウザはどのような位置づけになるだろうか。

今回紹介するオープンソース・ソフトウェアはChromium、Google製のWebブラウザGoogle Chromeのオープンソース・プロジェクトだ。

ChromiumはGoogle Chromeのソースコードを開示したものになる。Chromiumは修正BSDライセンスの下に公開されており、それをビルドしたものをGoogle独自のライセンスと付けて公開したものがGoogle Chromeになる。ちょっとややこしいが、Google Chrome自体はオープンソースではない。とは言え、Google Chromeが目に見える形として公開されているので、以下はGoogle Chromeについての記述となるのでご注意いただきたい。

Google Chromeの魅力は幾つかある。主立った機能として、通常のタブブラウザとは異なり、各タブのプロセスが独立しており、タスクマネージャで見ても別なプロセスとして表示される点だ。プラグイン(FlashやGoogle Gears)も別なプロセスとなるので、サイトを数多く開いていると相当なプロセス数になる。

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開発者に嬉しいコンソールやHTML検証

 

上記の通り、Google Gearsが標準で実装されている。英語版のGoogle Readerを表示したりして確認することが可能だ。開発者にとって嬉しいのはFirebug並みのデバッグツールが標準で搭載されていることだろう。JavaScriptコンソールや、要素を検証して書き換えたり、表示されるまでの時間やファイルサイズの検証をしたりすることができる。

セキュリティを気にする場合に向けて、シークレットウィンドウを開く機能がある。ここで表示した内容については履歴に残ったりCookieデータも保存されない。ただしこの場合でも見張りの諜報員や背後にいる人については注意して欲しいとのこと。

アドレスバーはGoogle検索と連携しており、アドレスバーに単語を入れて検索したり、これまでの履歴から候補になるものをリストアップしてくれたりする。

ダッシュボード機能があるが、ここでは頻繁にアクセスするページがサムネイル付きで表示される。全ての履歴を表示すると、Google Chromeをインストールする前のものも表示される。これはGoogle検索や他のGoogleサービスへのアクセス履歴を表示しているのかも知れない。

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シークレットモード

 

JavaScriptの実行速度は速く、Ajaxを使ったWebアプリケーション向けのブラウザと言えそうだ。アプリケーションショートカットを作る機能があり、それを使うと単独のメニューもない状態でGoogle Chromeを立ち上げる(ローカルアプリケーションのようになる)ことができる。

他にもブックマーク機能など多数の機能が実装されているが、それらはぜひ実際に触れて確認してみて欲しい。個人的な感想を言えば、予想していた以上に使えそうな雰囲気だ。Chromiumでは既にMac OSX、Linux向けの開発も進められている。今後に期待したいソフトウェアだ。

 

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ダウンロード時間を測定できる

 

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レンダリング結果は良好

 

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プロセス一覧

 

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Google Gearsも標準搭載

 

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Webサイトをローカルアプリケーションのようにするショートカット作成機能

  

# 2008年09月04日ライセンス周りでのご指摘があり、修正。

Google Chrome - ブラウザをダウンロード

 http://www.google.com/chrome/

Chromium - Google Code

 http://code.google.com/chromium/

Home (Chromium Developer Documentation) ※ ソースコードなど

 http://dev.chromium.org/