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プレミアムサービスの開始

MOONGIFTでは2010年10月より新しい試みとしてプレミアムサービスを開始しました。月額500円で特別なコンテンツが読める、先んじてストックされている記事が読めると言ったサービスになっています。これは良い意味でも悪い意味でも大きな反響を生み、その後の運営にも影響を及ぼしました。ここではそもそもなぜプレミアムを行ったか、行った結果何が分かったかについて紹介します。

なぜプレミアムか

2009年11月にクリス・アンダーソン氏による書籍フリーが出版されました。恐らくこの書籍を読んでフリーミアムを知ったという人は多いでしょう、筆者もその一人です。それまでのネット業界にない収益モデルが発明され、数多くのサービスでフリーミアムが導入されていったのを覚えています。

当時MOONGIFTにおいては情報がオープンソースに特化していたものの、超ニッチで読者数も多くない一ブログサイトに過ぎませんでした。そんな中でプレミアムサービスをやってみたのは一言で言えばフリーミアムを体験したかったからに他なりません。当時企業クライアントに対してコンサルティングサービスを提供していたMOONGIFTとしては、注目を集めているフリーミアムがどういったものであるか、導入すべきか否かを適切に説明できなければならないと感じていました。そこで実際に体験してみるのが最も手っ取り早かった訳です。

これは前述試してみる精神とも合致します。世の中には自分で実際に体験せず上辺だけで語る輩がとても多いです。企業においてもそうです。基幹システムを開発したり売り込んだりしている開発会社が自分たちでは使わず、手作業で請求書を発行しているなんてことはざらにあります。SIerもシステムを導入するだけで売上が伸びるのであれば、まず自分たちの業績回復に使う方が良いでしょう。MOONGIFTのようなごくごく小さい、当時はフリーランスとして活動しているような個人がいくらフリーミアムを叫んだところで自分で実体験もないのであれば絵に描いた餅に過ぎないのです。その意味において実体験をしたのは大きな意味があったと言えます。やはり自分で体験することでフリーミアムという言葉を語るだけの企業に比べて言葉に重みが出たと言えます。

さて、では実際にプレミアムを開始して起こったことを挙げてみましょう。

大きな反発

当時発表した際金儲け主義に走った無料じゃないなら見ないわ見てあげていたのに…さよならクソだわなど実に多彩な意見を受けました。これは元々予想はしていましたがそれ以上でした。実際、プレミアムサービスは従来のサービスに対するプラスαで、サービスレベルを落とした訳ではありません。にも関わらず大きな反発を受けたことにMOONGIFTとしては大きな衝撃を受けた訳です。ゼロ円と1円の壁は高く、厚いと言われますがまさにその通りです。

フリーミアムは止められない

前述の通りフリーミアムは実験的な行為でした。そのため反応がなければないなりに自然と消えていくのではないかと考えていました。しかし物販のように売り切り型のサービスとは異なり、月額定額モデルというのは課金ユーザがいる限り止めることはできません。もちろん無理矢理止めることもできますが、それは課金ユーザ(無課金ユーザに比べてエンゲージメントの高い層なのは間違いありません)に対する大きな裏切りにつながります。サイト自体を閉鎖するタイミングであればまだしも、プレミアムだけを停止するという選択はその後の運営にも間違いなく遺恨を残す結果につながるでしょう。その意味では月額モデルよりも売り切り型サービスの方が止めやすく、運営にとっても都合が良いのかも知れません。

ソーシャル担当は冷静な立ち位置でいられる人を選ぶべき

プレミアムをはじめた際に失敗したのがソーシャルサービスでの反応に対して説明すれば分かってくれると思い、返事をしてしまったことです。これが蛇足で、さらなる反発を招いてしまったのは大きな失敗でした。今からすれば反発は容易に想像できたことで、静観しているのが理想だったのです。読者の立場で考えれば、これまでが無料であったサービスが多少なりともハードルが上がった訳で思ったことを言うのは当然なのです。

また、この反応してしまった大きな理由の一つは筆者のMOONGIFTへの思い入れが(当然ながら)大きかったのが挙げられます。自分たちの運営するサービスに対して愛情を持つのは大いに結構なことですが、それが批判に対して過敏に反応するものであってはいけません。愛情があるからこそ、対外的な意見を素直に受け入れ、それを今後の改善に活かす姿勢が必要なのです。何と言っても読者あってこそのサービスであるのを一時的にせよ忘れたのは大きなミスでした。

将来的にフリーミアム化を考えるならローンチ時から組み込むべき

無料サービスがプレミアムを導入すると必ず批判が起きます。しかし最初からプレミアムがあると批判は起こらないものです。そのため流行るまでは無料で、ある程度ユーザが集まったらプレミアムサービスを開始しようと考えるのではなく、最初からメニューを設けておくべきです。ただし実際の機能開発をする必要はなく、準備中ページに飛ばして、そこに機能要望も入れられるフォームを用意しておけば良いだけです。そうすることでプレミアムに対する関心度を定量的に観測でき、さらにプレミアム化すると良さそうな機能リストまで作れると言った具合です。

プレミアムは是か非か

さてそんな訳で3年ほどプレミアムを提供してきた訳だが、実際のところ良かったでしょうか、それとも悪かったでしょうか。MOONGIFTとしては現在プレミアム会員は約500人ほどとなっています。IT系サイトでは一般的にバナーは殆どクリックされない傾向にあり、広告の収益というのは雀の涙です。そう考えるとバナーよりは効率的であると言えるかも知れません。

次にプレミアムを通じて分かったことなのですが、プレミアムというのは読者自身に課金してもらっており、その課金に対してコンテンツを提供する形になっています。つまり広告とは違い読者の方を向いてサービスが提供できている実感があります。この感覚はとても大事ではないでしょうか。そういった感覚を得られるという面でもプレミアムは成功だと言えます。

次は2009年までの人気ソフトウェアまとめです。2006年から09年の各年の人気ソフトウェアをまとめて紹介します!


10周年記念特集!「オープンソース×10年」

 

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